金銭的な格差はそんなに大きいものではない

 

格差社会」という言葉はもう耳に馴染みのある言葉となりつつある。主に収入の違いについて論じられていることが多い。

しかし、実際の金額と人間が感じる価値とは綺麗に比例してはいない。たとえば、30000円の料理が3000円の料理と比べて10倍美味しく感じることはない。ある人にとっては10000円でもある人にとっては0円の価値のものも世の中にはたくさん存在するだろう。

 

つまり、金額が大きいものほどコストパフォーマンスが悪いのだ。金額にあった見返りがなくなるように世の中はできている。

一方で金額の低いものは、性能にあった金額となっている。例えば100円のイヤフォンと1000円のイヤフォンでは、実際に10倍の違いが感じられることだろう。だから、人々は少しでも努力して多く稼ごうとする。

しかしそれが実現したところで、大抵の人間はある程度のところで満足してしまうものだ。

 

そういったものとは違い、知識とか人生の楽しみ方といったものはそれを持っている者と持たざる者の間の差が激しい。これはお金を持っているかどうかとは無関係であることが非常に多い。貧乏であっても楽しく生きていたり、知識を豊富に持っている人間は多数いる。こういったものを「教養」と呼ぶのだろう。

 

「教養」のない人間は自分にはお金がないからいろいろなことができないのだと諦めているが、金とは無関係の話だ。楽しい生き方を知るすべを探求していくことが「教養」なのである。